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BAの歴史

建物における中央監視システムおよびBEMSの変遷

BAの変遷

出典:空気調和・衛生工学会発行アズビル㈱西氏著シンポジウムテキスト 「BEMSを取り巻く各種技術の現状と今後のあり方について」より(一部追記)

1950年代

1950年にはTVが実用化されていましたが、まだ暖房は石炭を燃やすダルマストーブが使われていました。
 米国のホワイトハウスに世界で始めての中央監視盤が、1952年に設置されました。我が国では、占領軍によりビル管理が本格的に事業として普及し始めました。暖房は、石油ストーブから温風暖房機が使われ始めた時期です。

 

1960年代

トランジスタを使った自動機器が、1960年に入ると使われ始めました。ターボ冷凍機も実用化され、NHK放送センターで初めて「ヒートポンプ式蓄熱槽」が採用されました。また、1963年に入るとリレー式の投影機と連動した自動プログラム運転のビルディング・オートメーションシステムが、大阪地区で初めて採用されました。

写真提供:アズビル株式会社

19870年代

LSIが実用になり、デジタル方式のシステムがタイムプログラムなどに利用されだしました。新宿に高層ビルが建設され始めて、コンピュータ・ロ ガーなどが高層ビルに納められた時代です。NECのTK80が発表され、パソコンに一躍関心が広がり、東芝の日本語ワープロは当時では画期的なできごとでした。ガス吸収式の冷凍機が三洋電機で採用された時期です。この当時の中央監視システムは、表示にニシキー管を使うものでした。  1978年のエネルギー危機に際して、デジタルコントローラが省エネルギーに活躍し、わが国のエネルギー対策に貢献しました。

写真提供:アズビル株式会社

1980年代

CRT付きのデジタルコントローラによる最適制御システムが導入され、既設ビルのシステムを「リトロフィット」することが行われ始めました。氷蓄熱システムやコージェネシステムは、デジタル技術に負うところが多大でした。また、NECのPC98シリーズが、データを取り組むためのBAシステムの支援システムとして利用され始めました。
 産業界の発展は、求人難を深刻化させ、ビルの遠隔管理を発展させました。情報通信の解放はNTTの民間へ移行となり、デジタル技術のBAシステムへの利用が急速に進みました。また、ビルの情報化を「インテリジェントビル」と称して、軽薄短小の設備とともにBAシステムが各種の設備システムとリンクされ、統合システムやAI知能機能を利用したエレベータの群管理が出現しました。

写真提供:アズビル株式会社

1990年代

BAの信号線は、90年代に入りLAN方式が普及して、その通信速度はメガバイトへと飛躍し、ネットワーク通信が普及しました。汎用パソコンがBAシステムして採用されるようになりました。通信プロトコルの統一が一部で行われ始め、機器メーカー間の情報交換が容易になってきました。また、ESCO事業のような省エネルギー効果を保証するようになり、データ管理や分析が進んできました。

写真提供:アズビル株式会社

 

2000年代

BAシステムの通信方式,BACnetとLON®による統合が普及し、オープンプロトコルやインターネットにより接続されるようになり、携帯電話の急速な普及がBAシステムにも接続利用されるようになってきました。

  • BACnetは、ASHRAEの商標です。
  • LON®は、米国Echelon社の登録商標です。

写真提供:アズビル株式会社

2010年代

改正省エネ法の施行が始まり、総量規制対応による省エネのニーズ、ネットワークを利用したASPやSaaSモデルによるデータ管理も行われるようになってきました。また2011年3月11日の東日本大震災による原発停止で電力危機に見舞われ、節電機能、見える化もWebで多く提供されるようになっています。

写真提供:アズビル株式会社